ただ、いっさいは過ぎてゆきます − 太宰 治 -
ふと思う。
物に触れると手垢はつくし体を流しても汗はかく。髪の毛は気づかぬうちに抜けて落ち、部屋を汚す。
爪は伸びる。鼻水も出る。手洗いにも立つ。
生きてく限り、「けがれなき永遠の若さ」と逆行する、人間である私。
その逆行に抗（あらが）う人は多いと思う。
私は「むやみに」、｢しゃにむに」抗うことは止そうと思う。向き合ってみたいと思う。
年を重ねてゆく自分のすべてを受け入れながら、
目指すところは、・・・何なんだろう・・・。
・・・心を鍛えてゆくことかな。
抗うにしても、向かい合うにしても、それにはある程度のエネルギーを費やすことになるだろう。
体力や精神力、人によっては財力（？）というエネルギーを。
そしてそのエネルギーはいったい自分のどこに注げば、よいのでしょう。
見える部分に？ それとも見えない部分（たとえばココロ）に？
選ぶのは自分。
時間をかけてゆくうちにその積み重なりが、その人の外見や雰囲気に表れ始めるはず。
今のところ、そうなると信じている。
信じることでこれからの生活に張りを持たせようとしている。
年配の方の顔。失礼なことと知りつつも、ついまじまじと見てしまう。
特に電車の中で眠っている人の顔。しわの形も年と共に出来てゆくのは皆同じなのに
ひとりひとりなんだか違う。興味がある。
美しく年を重ね、美しく老いて、さらっと消える。これ理想。「美しさ」の概念も人それぞれ。
とりあえず、覚悟は決めておくことにして
気分としては「なんとなく・・」年を重ねることにしよう。
（ふと、太宰さんの言葉が浮かんだので表題にしました。）